こんにちは、INFP-Tの田中です。私は昔から「いい人だね」と言われることが多く、自分でもそうなのだろうと思っていました。
しかし、この「いい人であること」が時には大きな弱点になることを、仕事を通じて何度も痛感してきました。
つい最近も、ある出来事がありました。私は営業職で、取引先にあたる本社から商品を仕入れる立場(つまりディーラー的な立場)にあります。本来であれば、買う側の立場が強いはずです。しかし、本社の担当者から、ある日突然こんな言葉を浴びせられました。
「今月の売上が悪い!もっと買えよ、ふざけるな!」
この担当者は、普段は非常に紳士的です。私よりも年上でありながら、丁寧な言葉遣いで接してくるため、これまでトラブルが起きることはありませんでした。
しかし、業績が悪くなった途端、態度が豹変し、このような暴言を吐いてきたのです。
買う側の立場であるにもかかわらず、なぜ売る側からこんな扱いを受けなければならないのか?
答えは明白です。
「いい人だから」です。
私はその瞬間、怒りを感じました。しかし同時に、「反論すれば、相手を怒らせてしまうかもしれない」「余計に関係がこじれてしまうのではないか」という気持ちが先に立ち、結局、何も言い返すことができませんでした。
そして後日、その担当者から「言い過ぎました。すみませんでした」と謝罪の連絡がありました。
皆さんの中にも、似たような経験をされた方がいらっしゃるのではないでしょうか?
怒りをぶつけた側は、一度発散するとスッキリします。しかし、受け止める側の傷は簡単には癒えません。そして、謝罪されると「まあ仕方ないか」と許してしまい、また同じことが繰り返されるのです。
私もこれまで何度もこの状況に陥り、そのたびに自己嫌悪に陥ってきました。
しかし、もうこの悪循環を断ち切るべきではないでしょうか?
いい人が搾取されないために必要なこと
「いい人でいること」自体が悪いわけではありません。しかし、「いい人であること」が「搾取されること」に繋がるのであれば、それは避けるべきです。
では、どうすればいいのでしょうか?
私は「交渉時に使える3つの質問」を意識することで、状況を変えられるのではないかと考えています。
① それを私がやるメリットは何ですか?
頼みごとをされたとき、「なぜ自分がそれをやらなければならないのか?」を明確にすることは非常に重要です。感情に流されてしまう前に、一歩引いて考える習慣をつけましょう。ただの都合のいい存在にされていないかを見極めるために、この質問を投げかけてみてください。
② それをやることで発生するデメリットは何ですか?
いい人は「断るのは申し訳ない」と考えがちです。しかし、自分の負担やリスクを無視して引き受けてしまうのは、長期的に見て自分を苦しめるだけです。この質問をすることで、「本当に自分がやるべきことなのか?」を冷静に判断する材料になります。
③ それをやることで誰が得をするのですか?
「会社のため」「みんなのため」と言われると、いい人はつい納得してしまいがちです。しかし、それは本当に公平な利益分配になっているのでしょうか?一部の人間だけが得をして、結局自分だけが負担を強いられるような状況ではないかを冷静に確認することが大切です。
これらの質問を心に留めておけば、理不尽な要求を鵜呑みにすることなく、適切な判断ができるようになります。
交渉では条件を提示することが大切
それでも相手が「とにかくやれ」と強引に迫ってくる場合、ただ拒否するだけではなく、こちら側の条件を提示することが重要です。
例えば、こう伝えてみるのはどうでしょうか?
「私はあなたの意見を受け入れる際に、こうしたリスクが発生すると考えています。もしそのリスクが現実になった場合、あなたにこのようなサポートをお願いしたいのですが、了承していただけますか?」
このように交渉を進めることで、単なる「都合のいい人」ではなく、「対等なビジネスパートナー」としての立場を確立することができます。
もし、この提案をしても相手が強引に押し通そうとするのであれば、その人はあなたを本当に大切に思っているわけではありません。そうした人間関係は、いずれ見直す必要があるでしょう。
本当に「いい人」とは何か?
「いい人」とは、決して「都合よく扱われる人」のことではありません。
本当にいい人とは、自分も大切にしながら、相手にも誠実に接することができる人のことを指します。
自分を犠牲にし続けてしまうと、心はすり減り、最終的には周囲の期待にも応えられなくなります。それでは誰も幸せになりません。
ですから、「いい人」である前に、「自分を守れる人」であることを意識していきましょう。
それが、長く良い人間関係を築くための第一歩になるはずです。
「断る勇気」を持つために
ここまで読んで、「でも、実際に実行するのは難しい…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、「ノー」と言うことには勇気が必要です。相手を傷つけるのではないか、嫌われるのではないかと、不安になる気持ちもわかります。
しかし、思い出してください。
あなたはすでに、その人に何度も傷つけられてきたのではありませんか?
だからこそ、一度でいいので「嫌われてもいい」「相手を傷つけてもいい」と覚悟を決めて、思い切って立ち向かってみてください。
最初の一回が最も難しいものです。しかし、一度それができると、驚くほど気持ちが楽になり、自分の意見を伝えることに対する耐性がついていきます。
少しずつで構いません。「都合のいい人」ではなく、「本当にいい人」へと変わっていけるよう、一緒に頑張りましょう。