こんにちは、INFP-Tの田中です。
私は営業職として20年以上、いろんな上司に出会い、いろんな言葉に心をえぐられてきました。その中でも忘れられないのが「怒られているうちが花」という言葉です。耳にしたのは20代の最初の頃(私の世代はまだザ昭和世代、つまり日本の泥臭いサラリーマン像が世間にインプットされる象徴的な時代でした。)、
職場でミスをして、上司にきつく叱られた後、同僚が慰めのようにぽろっと言ったのがこの一言でした。
でも私は、その時全く「花」なんか感じませんでした。むしろ、自分の価値が地面に叩きつけられたような感覚でした。
この言葉は、いかにもマネージャーや指導者の側が好んで使いそうなフレーズです。一見、愛情や成長のための叱責のように聞こえますが、裏を返せば「怒られることに感謝しろ」と言っているようなもの。HSP気質の私にとって、それは重たすぎる要求でした。
たしかに、「怒られて伸びる人」はいます。芯が強くて、叱責を前向きに変換できる人です。でもそれは、「怒られたから伸びた」のではなく、「怒られても潰れなかったから伸びた」んです。多くの人がその過程で心に傷を負っています。
私もかつて、毎朝吐き気をこらえながら出社していた時期がありました。上司の言葉が怖くて、電話が鳴るだけで心拍数が跳ね上がる。怒られることが「花」なんて、私には到底思えなかった。
最近では、心理的安全性という言葉がビジネス界で注目されています。Googleの調査でも、「安心して自分を出せる環境」がチームの成果を高める鍵だとされています。つまり、「怒らないマネジメント」が実は効率的で成果につながるというのが、今やグローバルな常識になりつつあるのです。はい、私たちINFP、いや人類にとっては、そんなこと何今さら言ってるの?、、、とっくに知ってた、が正解だと思いますが。
では、マネジメントに本当に必要なのは何か。それは「共感する力」と「問いかける力」だと、私は考えています。
たとえば部下がミスをした時、「なんでこんなことになったんだ!」と怒鳴る代わりに、「何が起きたと思う?」「どう感じた?」と尋ねてみる。たったそれだけで、相手の頭と心が動き出します。怒鳴らなくても、人は変われるんです。
そして何より大切なのは、「相手がどう受け取るか」を意識すること。自分が「良かれ」と思って伝えた言葉が、相手には「否定」として響くことは日常茶飯事です。特に私のように自己評価が低くなりがちな人間にとっては、怒りの言葉ひとつで何日も立ち直れなくなることもあるのです。
それなのに、「怒る=愛情」と自己正当化してしまうマネジメントは、ある種の暴力性すら孕んでいます。
自分の感情を「教育」という名のもとにぶつけるのではなく、まず立ち止まって「この伝え方で、相手は救われるだろうか?」と問い直すことが、本当の意味でのマネジメントだと私は信じています。
「怒られるがうちが花」という言葉を、私は否定しません。実際に、それで救われた人もいるのでしょう。でもそれは、本人が「後から」気づくものであり、使う側が声高に語るべきものではないと思うのです。
だからこそ、マネジメントの現場でこの言葉が出てきたとき、私はこう問い返したい。
「それは本当に、相手のためになっていますか?(怒っているあなたのストレス解消や自己満足が根底にありませんか?)」と。
この問いを持ち続けることが、これからの時代のマネージャーにとって、最も重要な力ではないでしょうか。