INFP人生記

著者:MBTI診断INFP-T/男/家庭持ち/1980年生/吃音/HSP/営業職

INFPの「怖さ」:その裏の顔と心理的背景

MBTI性格診断において、INFP(内向型・直感型・感情型・認知型)が「怖い」と感じられることがあると言われています。外見上は穏やかで優しそうなこのタイプが、なぜそのように見られるのでしょうか?今回は、「INFPの裏の顔」や「INFPの怖さ」について考察しながら、その理由や背景を探ってみたいと思います。もちろん、これは私個人の体験や見解に基づいたもので、INFP全般に当てはまるわけではないことをご了承ください。

 


INFPの怖さの正体

馬鹿にされやすいが故の恨み

INFPは、一般的に温厚で、対立を避ける傾向があります。意見を強く主張することが少ないため、時には軽んじられることがあり、その結果として馬鹿にされやすい存在と見られることがあります。これがINFPにとっては非常に辛く、次第に恨みへと変わっていきます。

たとえ周囲の人から何か不当な扱いを受けても、その場では反発しません。しかし、心の中ではその不快感や怒りを感じ続け、いつしかそれが「根に持つ」という形で心に溜まっていきます。これが「INFPが怖い」と言われる一因かもしれません。内に秘めた怒りや恨みが増幅することで、その人の裏側にある「怖さ」が表に出るのです。

マウンティングされやすい

INFPは、自分から他者を圧倒したり、優位に立とうとすることが少ないため、逆にマウンティングの対象になりやすいタイプです。「そんなことも知らないの?」という態度を取られることが多く、社会的なシーンでも家庭でも、そうした状況に遭遇しがちです。例えば、職場で些細な知識を知らなかったことで馬鹿にされることがありますが、これもまた恨みの種になり、心の中で膨れ上がる怒りを増大させます。

このような場面では、その恨みを表に出さずにため込むため、後にその感情が「怖さ」に変わってしまうのです。

妄想の世界で復讐

INFPは想像力が豊かで、時にはその想像の中で他者に対して復讐を行うことさえあります。現実での対立や怒りを避ける代わりに、頭の中で相手を痛烈に攻撃したり、仕返しするようなシナリオを描くことがあります。このような妄想の中で、相手に対する強い感情をぶつけるのです。INFPのこの内向的な「怖さ」は、まさに想像力の賜物であり、その内面的な世界の豊かさと結びついています。

藁人形に釘を打つというような象徴的な行動は、物理的には行わないまでも、INFPが抱える心の中の復讐の感情を表しています。

ミステリアスで何を考えているかわからない

INFPは、感情や考えを内に秘める傾向があり、そのために周囲から見ると何を考えているのか分からない、ミステリアスな存在と見られることがあります。このミステリアスさが、時に「怖い」と感じられる理由です。表面的には穏やかで大人しい態度を保っている一方で、内面では全く別の感情が渦巻いていることが多いため、そのギャップが「何か不気味なもの」を感じさせるのです。


INFPの想像力とその裏に潜む怖さ

INFPは、その豊かな想像力ゆえに、しばしば非現実的なシナリオや未来の不安な展開を頭の中で描きます。怒りや恨みが心に生じた場合、その想像力は悪い方向に働き、相手に対して非常に残酷なイメージを抱くこともあります。これは実際に行動に移されることはほとんどありませんが、その内面世界での怒りの爆発は、自分自身にも強いストレスを与えます。

一見穏やかでおとなしいINFPが、頭の中では復讐心を抱いている…そんなことを知ったら、周囲の人たちは確かに「INFPが怖い」と感じるでしょう。


なぜINFPが「怖い」と思われるのか

1つの理由として、感情を表に出さないことが挙げられます。INFPは感情を溜め込みやすく、表面上はニコニコとしたり、何もなかったかのように振る舞いますが、内側では激しい感情が渦巻いていることがあります。この二面性が、他人には理解しにくく、「何を考えているのか分からない」という不安感を生みます。

また、INFPは自分の価値観を強く持っているため、それが脅かされたり、他者から理解されないと強いストレスを感じます。この結果、心の中で複雑な感情が発展し、他者に対して疑念や不信感を持つこともあり、それが「裏の顔」として見られやすいのです。


INFPの怖さは暴力的ではなく、内面的なもの

「INFPの怖さ」は、物理的な暴力や直接的な攻撃ではありません。むしろ、内面的な葛藤や、心の中で膨らむ怒りや恨みが、他人にとっては不気味に感じられるのです。INFPは、相手に直接攻撃をすることはほとんどありませんが、その静かな怒りや深い感情が、周囲には「精神的に狂気じみた怖さ」と映ることがあるのです。


太宰治「人間失格」に見るINFPの闇

INFPの持つ「怖さ」は、文学作品にも反映されていることがあります。特に太宰治の「人間失格」は、INFPの内向的な性格や、心の中にある闇を象徴的に描写しています。この作品では、主人公が常に周囲に対して恐怖や不信を抱きながらも、表面的には明るく振る舞おうとする様子が描かれています。

太宰治の描写する主人公は、まさにINFPの持つ二面性や、内に秘めた深い感情の表現です。社会との不一致や、自分自身に対する疑念が、徐々に彼を追い詰め、最終的には破滅的な結末を迎えるのです。INFPの性格が持つ「怖さ」とは、こうした内面的な葛藤と、それがどれだけ膨れ上がるかによって生まれるものです。


まとめ:INFPの怖さを理解し、受け入れる

INFPの「怖さ」は、実際には暴力的なものではなく、その裏にある感情の深さや、表には見せない葛藤に起因します。INFPは、その内面で多くのことを抱え込み、時には暗い妄想や怒りが積み重なりますが、それを解消するには感情の発散方法を見つけることが重要です。

INFPは、自分の内面を他者に理解してもらうことで、この「怖さ」から解放され、より健全な形で感情を処理できるようになります。読者の皆さんも、もし自分がINFPなら、無理に感情を抑え込むのではなく、自分を受け入れ、他者とコミュニケーションを取る方法を探してみてください。