こんにちは、INFP-Tの田中です。
最近の私は「反論する気力すらない」という境地にいます。これは諦めではなく、ある種の“生き残り戦略”です。
私は営業職で、朝7時には家を出て、夜9時に帰宅するような生活を長らく続けてきました。帰宅ラッシュの電車に揺られながら、「ようやく家で座れる」と思う。でも、その家で、私は椅子にも座らせてもらえませんでした。
「汚れてるから、座らないで」
言われるまま立ったまま夕食をとり、酒を飲みながらスマホでニュースを読んでいても、「またダラけてる」と刺すような視線を感じる。疲れ果てた体に、さらに鞭が飛んでくるような日々。
若い頃の私は、それでも怒りをぶつけ返していました。
「こんなに頑張ってるのに、なんでそんな言い方をされないといけないんだよ!」と、声を荒げる日もあった。
でも、次第にそのエネルギーすら失われていきました。
正直、疲れすぎていて「怒る余力」もない。
「この程度で怒ってくるのか」と思っても、いちいち反応するのが面倒で、結局ただ黙って頷くだけ。省エネモードに突入です。
「はい」「わかった」「今やる」
そうやって感情を殺し、機械のように動く日々。
でも、あるとき気づいたんです。
黙って従えば従うほど、相手の要求は上がっていく。
最初は「皿をすぐ下げて」と言われただけでした。それを頑張って続けていると、「水につけて」→「水が濁らないように流して」→「つけおき時間を見てから洗って」……と、どんどんステージが上がっていく。
これ、ゲームだったらやりがいもあるんでしょうけど、私にとっては修行の道。
やればやるほど、次の“ノルマ”が課される。
達成しても、褒められることはない。それが「当たり前」に切り替わるだけ。
心理学で言うところの**「報酬なき昇進」**です。
人は報酬がないまま努力を続けると、自己効力感が下がっていきます。
そして、そのうち「私はロボットなんだ」と思い始める。
もちろん、妻に悪気はないのかもしれません。
彼女だって、家事や子育てに疲れている。私が見えないところで、きっとたくさんの不満や不安を抱えている。
でも、だからといって「他人に当たっていい」わけじゃない。
私は今、こういう理不尽に「どう反応すればいいのか」を迷っています。
怒るのも、逆らうのも、全部エネルギーが要る。だから私は黙って従っている。
でもそれは「納得している」わけじゃない。
私の中には、「こんな扱いを受けてまで、自分の尊厳を削らなきゃいけないのか」という、消えかけた炎がまだ残っています。
INFPという気質は、外の世界よりも、自分の中の価値観や誇りを大切にします。
「自分が納得できないこと」を、続けるのは本当にしんどい。
今の私は「怒られないため」に家事をしているけど、心はどこかで泣いている。
感謝されなくてもいい。でも、せめて責めないでほしい。
自分を守るために黙っているだけなのに、「お前は成長していない」と断罪される日々。
まるで、「努力しない奴は生きる資格がない」と言われているようです。
もしこれが続くなら、私はいずれ“神のような耐久力を持つ無感情な人間”になるか、心が壊れてしまうか、どちらかでしょう。
…それでも、私は毎日、皿を下げています。
たとえ感謝されなくても、怒られても、「家庭を壊したくない」という一心で、今日も俯きながら、静かに台所へと向かうのです。