辞めると言い出せない
仕事でもなんでもそうですが、一度そのコミュニティの門を叩き所属する。
そしてそのコミュニティで過ごしてある程度の年月が経ってくると、起きてくる現象があります。 辞めると言えないことです。
自分の意思として、なんかここは自分にしっくりこないな、ムリして居場所を確保しているなと感じて、そのコミュニティを離れようとするのですが、ここでこの、人をがっかりさせたくないという心の癖が働くのです。
もし、向こうから「辞めて下さい」と言われればどんなに楽なことでしょうか。それならば多少なりとも否定されて落ち込む自分も感じ取れるとは思いますが、恐らく、反面よろこんでいる自分もいると思うのです。
とにかく、
辞めます、
この一言は、相手やお世話になった組織に対して痛烈な爆撃を、あの1941年に起きた真珠湾攻撃を相手にぶちかますような罪意識に苛まれ、それを仕掛ける自分を想像するだけでまるで身を焼かれるようなおぞましさを禁じ得ないのです。
どうして自分は辞めるんだ?これは身勝手な行為じゃないのか?本当に真っ当な理由なのかと気を揉むのです。
来月中に言おう、来週中に言おう、、明日言おう。。
まるでこの世の時間の流れが物理の法則を無視して、その日は突然にやってくるのです。
そして意を決して、
― 辞めます。お世話になりました。