INFP人生記

著者:MBTI診断INFP-T/男/家庭持ち/1980年生/吃音/HSP/営業職

INFP-Tが語る、免色渉の魅力と『騎士団長殺し』の世界

こんにちは、INFP-Tの田中です。最近、村上春樹の長編小説『騎士団長殺し』を読み返しました。私は昔から本を読むと世界に没入しすぎてしまうタイプで、特に村上作品はその傾向が強く出ます。気づけば夜更かしの連続、気だるさと引き換えに得るのは、言葉では言い表せない満足感。

そんな中でも、私が特に心を奪われたのが「免色渉(めんしき・わたる)」というキャラクターでした。彼は54歳の謎めいた富豪でありながら、まるでこの世界の理(ことわり)とは異なるルールで生きているような存在。彼が登場しなければ、物語はただの「妻に浮気されて引きこもった画家の話」に過ぎなかったでしょう。

彼の異質な存在感は、INFP気質の私にとって強烈な刺激でした。

INFPはなぜ「免色渉」に惹かれるのか?

INFP(仲介者型)は、感受性が豊かで想像力に富み、内面的な世界に深く没入する傾向があります。そんな私たちにとって、免色渉のような「現実離れしたキャラクター」は、無性に気になる存在です。

彼にはどこか、私たちINFPが持つ「世間と折り合いがつかない感覚」があるように思えます。彼は社会的には成功者ですが、どこか浮世離れしていて、普通のルールに縛られない。会話は流れるようにスムーズなのに、本当のところ何を考えているのかは読めない。

そして、彼は自分の「異質さ」を隠さないどころか、それを強みとして使います。これは私たちINFPが学ぶべき点かもしれません。

免色渉の「色」

『騎士団長殺し』の中で、免色渉は特定の色のイメージと結びつけられています。彼の存在を象徴するのは、雨に濡れた雑木林のような緑、そして燃え立つオレンジ。この色の組み合わせは、彼の二面性をよく表しているように思えます。

緑は、静けさや落ち着きを感じさせる一方で、湿った土や深い森のような「得体の知れなさ」も含んでいます。そしてオレンジは、エネルギッシュでありながら、どこか退廃の影を感じさせる色。彼の持つ生命力と危うさ、その両方がこの色彩によって象徴されているのではないでしょうか。

私が彼に惹かれた理由も、この色の対比にあるのかもしれません。

私が描いた免色渉の肖像画

実は、私は小説を読み終えたあと、無性に彼を描きたくなりました。

(※絵の心得はまったくありません。ご了承を…)

まずは鉛筆で輪郭をなぞり、黒い絵の具で肉付けしました。

免色渉 肖像画

 

そこに、彼を象徴する「緑」と「オレンジ」を加えていく。筆を走らせるごとに、彼の異質さがより浮かび上がってくるのを感じました。

しかし、それだけでは足りない。最後に必要なのは、彼の象徴とも言える「純白の髪」。降り積もったばかりの雪のような白。この色を加えた瞬間、私の中で免色渉は完成しました。

免色渉 肖像画 完成版

 

4時間。

筆を置いたとき、私は疲れ切っていました。でも、それと同時に不思議な満足感がありました。

「異質さ」を恐れない生き方

私はINFPとして、生きづらさを感じることが多々あります。世間のペースに合わせるのが苦手で、人と違う感性を持つ自分に自己嫌悪することもありました。

でも、免色渉のように「異質であることを受け入れる」生き方があってもいいのかもしれません。彼のように、自分の世界を大切にしながら、それを武器に変えていく。

私たちINFPは、しばしば「現実世界では浮いてしまう」と感じることがあります。でも、それは「特別な視点を持っている」ということでもあります。

免色渉が物語の中で異彩を放っていたように、私たちも自分の色を大切にして生きていけばいいのではないでしょうか。

まとめ

・免色渉はINFPが共感しやすいキャラクター
・ 彼の「異質さを武器にする生き方」には学ぶべきものがある
・ 私たちも「違い」を恐れず、自分らしく生きていこう

村上春樹の小説は、ただの物語ではなく、時に人生の指針を与えてくれるものです。INFPの皆さんにとって、『騎士団長殺し』は深く響く作品かもしれません。ぜひ読んでみてください。

では、また。