豆腐のメンタル
打たれ弱い私です。豆腐のメンタルです。 否、打たれてもいないのに打たれたと勘違いしてガックリとくることもあります。
誰も触っていないのに、ぐっしゃりと潰れた豆腐。
どうしてこんなに苦しむのだろうか、自分で苦しむことを欲しているとしか思えないこのやるせなさ。
そうなると、心はそれに囚われて、ジャラジャラと重い鎖を体に一周ずつ巻きつけて、タコ糸のように自身をがんじがらめにして私を縛り上げます。
それどころか、その発端となった悩み事だけではなく、そこから芋づる式に色々な、でも関係の悩み事が一つの「悩み」としてタグ付けされ、脳内を苦い液体で満たすのです。
これが、にがり、か。
にがり、は豆乳を凝固させ豆腐を作る際に使用します。海水から塩の塊を取り除いた液体です。
にがりによって豆乳は固まり、豆腐になるかもしれませんが、
この私の、私に対するほんのささいな批判は、にがりに晒されたかのごとく悩みの塊として凝固しこの心にこびりつき、そして、潰れそうに、その形をぷるぷるとたたえています。