散髪してから学校や職場に行くのが恥ずかしい
こ、ここここ、こ、こんにちは、コミュ障やっていますか、ゴクリ。。
人間の運命というのは残酷なもので、やりたくないことも生きる上で仕方なくやらざるを得ない場面がたくさんありますが、コミュ障にとってはそういうシーンが多く、尚且つ、ギョッとするレベルにまで気分が滅入るようなこともあります、急に飲み会に誘われた、親睦会、バーベキュー、パーティとかですね。 でもまぁそういうのはだんだん距離を置けるようになってくるのですが、どうしても避けられないことだってあるのです。
コミュ障にとってはそのラインがもっと低くてツラいシーンに出くわしやすいです。
コンビニで肉まんを頼みたいとき、初めての駅で駅員さんに道を尋ねざるを得ないとき(まぁ初対面、しかも業務的なものは意外となんとかなるものですが)、職場で分からないことを聞かざるを得ない場面、などなどあげればキリがないのですが、
やはりコミュ障にとっての鬼門スポットは散髪屋でしょう。
コミュ障は基本的に髪が伸びがちです。
なぜでしょうか。
床屋・美容室などとにかく散髪で話すのが嫌だからです。というか、3000円前後かかる床屋、理容室、美容室というのは美容院というのはまず、美容師・理容師がガンガン話しかけてくるからです。
というか、そういうところっていうのは、だいたい予約が必要で、電話連絡の段階でメンタルが第一段階そがれてしまうのです。
■自分■「あ、あの、もしもし、すみません、予約したいんですけど、今度の土曜とか大丈夫でしょうか」
■散髪屋■「ありがとうございます、うぅぅ、そうですね、あいにく予約がいっぱいでして、14時とかどうでしょうか?」
ここでギョッとするのです。 勇気を出して電話したのに、予約がいっぱいとか混んでいるとか、とにかくカンタンに受け入れてくれない。
そもそも論としては、予約するのが遅いだけなのですが、やはりコミュ障であるがゆえに先延ばしにしてしまっていよいよ髪が伸びて切らざるを得ない直前になって予約するのです。
■「あ、分かりました。」
こうやってコミュ障はますますそういう普通の散髪屋で髪を切ってもらうことに苦痛を覚えるようになるのです。
あと、だいたいが自分の顔に自信がないので、髪を切りに行く行為自体がなんか自分のレベルに見合わずオシャレ気取っているような気がして美容師や理容師にそのモテたい願望みたいなのを見透かされて小バカにされているのではないかと勘ぐってしまう節もあり、気恥ずかしいのです。
だから、自分から具体的に髪型をこうしてほしいというオーダーができません。 前髪は眉の上くらいでいいですか?とか聞かれてやっと振り絞るような声で
「あ、もう少し長く、、」
とか言える感じでしょうか。
そして、最後、散髪が終わったあとの、あの、店を上げて「ぁりがとぅござぃました→」みたいなテンションに、気まずそうにそそくさと身を丸め退店していく姿はむしろ自分がカット代を先方からもらいたい気分の労働感があるのではないかと思います。
かくして、コミュ障はより喋らなくていい散髪店を探し1000円カットなどの大衆理容にたどりつくのです。 大衆理容は工業的にバシバシと切っていくので喋る暇もなく済むうえに早いので淡々と終わるのがコミュ障にいいのですが、コミュ障はやはりここを理想郷とするでしょう。
でも、お分かりの通り、大衆理容は散髪が垢抜けないので、だいたいがダサい髪型に仕上がります。 そうやって、散髪してもダサい自分ができあがるのです。
さらにそれだけは終わりません。
ここからが本番ですが、
翌日に学校や仕事場に行くのが恥ずかしくて死にそうなくらいなのです。
そもそも、散髪がうまくいこうが失敗しようが、散髪をした後に人に見られるのがとにかく死にそうなくらい恥ずかしい、これこそがコミュ障の証なのです。
それは、地味な自分が散髪をして注目を浴びようとしていると思われるのではないかという自意識過剰からなのか、それとも散髪失敗したのではないかという、自己に対する自信のなさから来る自己不全感なのか、はたまた髪を切って変わった自分に話しかけられるのが怖いからなのかは分かりません。
でも、とにかくそういう感情が入り混じり、死にそうな羞恥心を覚え、身ぐるみを剥がされたかのような目で見られる、周囲のあの、好奇に満ちた目が、恐ろしくてたまらないのではないでしょうか。