人生の9割は逃げていい〈コミュ障おすすめ本〉
私はいつも決まったお店で買い物するのですが、その際にポイントカードを出しません。 というか持っていないのです。 もっというと作らないというか、作れないというか。 そう、店員さんからゴリゴリ「絶対損しませんから今この場で作って下さい!」とプッシュしてくれたら、断れないので作るのですが、まず自分から「ポイントカード作りたいのですが・・・」とは言えません。
さてそんな私はいつも自信がなく、ポイントカードすら作れなかったり、お冷(水)のおかわりを注文できなかったりと、とにかくあらゆる場面で人を避けるようになってしまい、逃げ癖がついていったわけです。
そして学校にいれば「辞めたい」
いい会社に入っても「辞めたい」
という人生オワタになるという具合ですね。 普通のコミュ力があればなんてことはなく乗り越えらえることがコミュ障の場合、日常の些細な挨拶のあたりから苦痛なのでとにかく一日がどんより重いものとなるのです。
逃げ癖、、、人生、どうしよう。。。
でも大丈夫!
逃げるならとことん気が済むまで逃げればいい、辞めればいい、その先にユートピアがある!
そのように主張するのは「人生の9割は逃げていい」著者の井口晃さん。 本を出版するくらいの人なんだからさぞご立派な方なんだろうと思いきや、なんと!
中学時代はいじめが原因での転校5回、そうしていくなかで生きている自分の価値を見いだせず絶望の末もはや国外に生きる場所を求め、いわば亡命的な恰好で海外に留学、でもやっぱり合わなくて結局帰国、ニート生活。
という、闘争本能ならず逃走本能の赴くままに辞めまくっているというまさにコミュ障の素質たっぷりな方なのですね。(※ただ、内気なコミュ障と決定的に違うのは行動力がハンパないということですが。)
しかし! そうやって嫌なものを避け、また嫌になったら辞め、を繰り返しているうちに著者は自分のやるべきこと、そして居心地のよい場所を見つけ成功していったのです。
だいたい日本では「石の上にも三年」とか「堪忍は一生の宝」とかいって我慢することが美徳とされていて、一度乗った舟からは降りてはいけないみたいな風潮があり、中退や転職といったことは色々なフォロー意見もありつつもやっぱり「辛抱できない弱い人」というレッテルが貼られるのは事実でしょう。
ワタシも中退や転職といった経験がありますが、社会生活を送る上で(厳密には就職活動)もうかなりアゲインストの風を受けまくりな身分です。今後ワタシが血眼になって努力してもそれを評価してくれる会社はないでしょう。
それだけ、逃げる者に対する世間の風は冷たいですし、ひいてはコミュ障のように人から逃げる者に対してもよいことは起こらない、、
なーんていうのは、もはや過去の理論。
結局、中途半端に辛抱するからダメなのであって、もうトコトン嫌なものから逃げまくればいい、それだけでいつかその果てにたどり着き、その場所がユートピアであり、それは実在するのです。
でも、それだけではただの引きこもりニートになってしまいますよね?
だからただ逃げるだけではダメで、自分の理想をはっきりさせてそれを追い求める感じで渡り歩く、というのがよいのでしょう。
つまり、コミュ障もそうですが、例えば学校や職場で「辞めたい」と思うのは、そこに理想と違う現実があるからですよね。 深く突き詰めればただ漠然と辞めたいわけではないはずなのです。
その理想つまり何が好きでどういう人と仲良くなりたくてどんな環境がよいのか、これをはっきりさせることで自ずと逃げた先にゴールがあるということですね。
間違っても、自堕落で逃げる、という解釈ではありません。 (そう、あくまで逃げていいのは9割で、10割逃げるというのは生産性がないということになる、ということでしょう。)
なにはともあれ、コミュ障の方にはとても生きる指針になる本だと思いますので機会があればご覧ください。
以下、グッときたポイントの抜粋
●大好きで情熱的になれる仕事を、「逃げること」を通じて見つけるしかないのです。 ●逃げれば、選択肢が増えます。見える世界が広がるので、今の現実がすべてではないと気づくことができます。 ●人生がうまくいかないのは、「あなたが悪い」からではありません。 ●ストレスがたまるくらいには、飲みには付き合わなくていい ●人間関係の悩みは、あなたの考え方次第で解決することができます。 多くの人は人間関係に執着しすぎています。この人しかいない、このコミュニティしかない、と思い込んでいるので、執着してしまうのです。相手に依存しすぎています。 今の人間関係を手放しても心配はいりません。人間は無数にいるわけですから、あなたが新しい環境を求めれば仲間はすぐにできます。 ●少し緊張するところ、頑張らないといけないところに行って、成長できる場に身を置くのです。そうすると、「そこにふさわしい人間になろう」と頑張れるはずです。