こんにちは、INFP-Tの田中です。 私は昔から口数が少ない性格でした。20代の頃は、それを「思慮深いからだ」と思い込んでいました。周囲の人が軽々しくおしゃべりをしているのを見るたびに、内心でこんな風に思っていたんです。「彼らはきっと、何も考えずにその場を楽しんでいるだけなんだろう」と。
でも、30代になった今だからこそ分かるんです。当時の私はただ、自分の「喋れなさ」を正当化していただけでした。
確かに、私の頭の中はいつも何かでいっぱいでした。仕事のこと、将来のこと、過去の失敗、そしてこれからやるべきこと。それらが渦を巻いて、脳のメモリが常にフル稼働。話す余裕なんてありませんでした。でも、もしその「考え事」をやめたら多弁になれるのかというと、そうでもないんですよね。頭が空っぽでも、言葉は出てきません。
そう気づいたとき、ある疑問が浮かびました。 「思慮深いって、自分がそう思いたいだけじゃないのか?」 そして、徐々に悟ったんです。私は“思慮深い”のではなく、“遠慮深い”だけだったと。
本当は人と話したい。でも、何を話せばいいのか分からない。だから、考え事に没頭することで、その気まずさを誤魔化していただけだったんです。そしてその「考え事」という隠れ蓑に隠れたまま、何も変わらない自分を守っていただけでした。
この事実に気づいたときは正直、ショックでした。でも同時に、そこから抜け出す方法も見えてきました。 「相手との話題を探すために脳のメモリを使えばいい」 そう考えるようになったんです。最初は難しかったけれど、少しずつ意識を変えてみました。例えば、相手の趣味を尋ねる、小さな共通点を探す、あるいはただ「聞く」だけでもいいんです。それだけで、会話は思った以上にスムーズになることを実感しました。
口数が少ない性格に悩んでいる方へ、私が伝えたいのはこういうことです。 「思慮深さ」に隠れた「遠慮深さ」を受け入れてみてください。そして、少しずつでいいので、遠慮を手放す練習をしてみませんか?その一歩が、きっと自分自身をもっと自由にしてくれるはずです。