嫁と口喧嘩して泣かされた話
私はあまり収入の多い方ではありません。そのために家計のやりくりも大変なのですが(低収入なのに嫁はまだ育児のために仕事に出ておらずもう本当家計は火の車という感じです)、そんな状況なので時折、口喧嘩になることがあるのです。
一応、私も男なので、やはり見栄を張ってお金を使いすぎる、とは言っても自堕落で不摂生な使い方をするというわけではなくて(私はギャンブルもしませんし夜遊びもしない、というかこういう遊びは怖くて尻込みするのです)、ただ、ちょっとお金がある振りをしてまとめて支払うとかそういうことを時にしてしまうのです。 貧乏には見られたくないというプライドがなんとなくあるようです。
そういうことから、時に家計のやりくりを必死に算段している妻からすると、私の行為が軽率に見られることもあるようで、E型の妻は私をなじり倒すようにアレコレと責めてきて苦しめるのです。言い合えば言い合うほどにエスカレートしてきて、どうやら私の男たるコアの部分(下ネタではなくて、例えば家庭を守るために日々黙々と頑張っているとか家族のために無駄遣いしないなど)をこれでもかと攻撃しまくるのです。 向うずね(つまり弁慶の泣き所)に五寸釘それも蛇蝎の毒がふんだんに塗られた釘を、まるで呪いの藁人形を打つかのごとく、否、金槌というよりもむしろ餅つきに使う杵(きね)で打ち付けるような、 これならむしろイカヅチ(雷)に全身を撃たれた方がまだマシなんじゃないかと思うほどに、私を、まるで死神の裁きのごとくうちのめすのです。
以前の若い頃の私ならこれに必死で反抗して、少しでも男らしく振る舞おうと対抗していました。
でも少し年がいって(36歳)、今は、どうやら情けないことに、怒るのではなくて、、、
・・・泣いてしました。情けなくて、口を受け口にしながらまるで子どもがベソをかくようにヒィィンとその場を逃げ、お風呂に駆け込みシャワーを浴びながら気持ちを落ち着けたのです。
でも効用はありました。
以前の私はE型の嫁であろうとも必死で食らいついてとことん口喧嘩しまくっていましたが、今回、新たな手法として?泣くという行為をなすことによって、、 嫁の反応はどうだったか、、 今までにない結果でした。
優しかったのです。
どうやら私を打ち負かしきった(E型の)嫁は、すっかり勝った気になり、風呂から上がった私に慰めの言葉を浴びせて優しくなっているのでした。
これは新しい局面です。
いや、でもどこか私も打算的な所があって、
感情が高ぶったときの反応として、怒るか泣くかの二者択一になったとき、それまでの経験により、「怒る」を選択した場合にどうやら後々反発し合って仲直りするのも遅く面倒くさくなる結果が見えているので、この際、あえてマイナスに振ってしまえ、この高ぶる感情を内なるベクトルに変えてしまえと直感が私に教えたのです。
これも年端の経験の為せるわざ、どうやら私は老獪になってしまったのでしょう、か。
これは賢くなっているのか、それともずるくなっているのか、私には分かりません。
ただ、何とか、この海よりも深い心痛を誰かにしっかりと受け止めてほしいがゆえに、変に計算高くなってしまってきたということは、否定できないのかもしれません。